「俺、この戦争が終わったら、結婚するんだ…」

2013/01/19(Sat)

「じゃないけど」

「おれ、この受験が終わったら
かえでと付き合うんだ」



そう言って、駅の階段を昇っていった。

うん。
わかった。
でもアンタ、それ死亡フラグや…



数ヶ月前、
地元の県立高に通うかえでちゃんに告られた。
今ではいい友人関係でいる、桜井の元、元、元、元(くらい)カノの友達だった。

まだ、
過去の恋を捨てきれない桜井は、一度は断った。
でもかえでちゃんはメゲなかった。


「見ているだけでいいから」
「好きでいさせて」


そう言って
桜井の電車に合わせて駅で待っていて
手作りのお菓子をプレゼントしたり
受験のお守りを作ってきたりした。



毎日のように
好きだよ、好きだよと言われ続け
相当アタマがフットーしたみたい。

苦悩している様は、平穏に装っている風でも分かった。
ずっとはなちゃんを想い続けたいという思いと
今勉強以外のことを考えている余裕などないわ!ってキモチを交錯させながらも

いつの間にか
彼から好き、が溢れてた。



受験を目前に控えた桜井は
これではダメだと思ってかえでちゃんに言った。


「受験が終わるまで、勉強に集中したい」

「あなたのことを考えることを、国立の合格発表があるまで保留にさせてほしい」
「お返事はその時にします」


かえでちゃんは
分かった、って言ったみたい。
Lineの着信音も減り
駅で会うことも減った。
食事中、かえでちゃんの話題が出ることも少なくなった。



センター初日の今日、駅まで車で送った。
彼は駅の階段を昇る前に、
携帯につけていたかえでちゃんお手製のお守りを握りしめて
冒頭の死亡フラグを吐いた。


「だから何としても
おれ、つくばに合格しなきゃいけないんだ」



コイノチカラさえ机に向かう原動力になっていたんだなあ。
恋って素晴らしいな。

その前向きさ、わたしも見習うよ。





そんなこんなで
長女たんをお嫁さんに貰うことはできなくなるかもしれません。>むん子先生

二人で早稲田に通えたら楽しいなぁとか
長女たんが桜井のとこに嫁に行ったら
おれら親戚だね。
ちょー楽しくね?
法事とかあるたんびにきよしらにも召集が掛かって酒飲むの。
そんな話をしていたけれど



って、
なにそのトーチャンの勝手な意向wwwwww
長女たんの意志ガン無視?wwwwwwwww


(二人は会ったことすらありません)



でも
むん子が長女たんの模試の結果などうpしたりするたび
それを桜井に見せてた。

「おー…長女たんマジすげー」
「おれも負けらんねー」

「臥薪嘗胆か…超わかるわー解り過ぎてツラいわー」

「早稲田模試の英語の偏差値77!これ長女たんに負けてないんじゃね?!」

会ったことも見たこともない彼女に刺激されていたのは確かで
そんな会話も度々あった。


全てが終わったら
二人の希望が叶ったら
4人で合格祝いしような。

ようじょの次にインテリ系女子が大好物な桜井は
もしかして長女たんにフラフラ逝ってしまうかもしれません。
その時はどうぞよろしくお願いします、むん家の皆様。


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