桜井にーたんと
たくちゃん、やすいの部活を見に行ってきたん。
いつもの制服でもなく、私服でもなく
思春期の甘酸っぱいえろ話に盛りあがる光景でもなく
スパイクをタータンに叩きつけて目の前を走り抜けるイツメンにどきどきして
そして同じように走った自分の記憶が交差して
なんとも言えず切なく、胸が高鳴った。
学校内で彼ら、特別選抜クラスは
普通クラスより授業が60分長く、
休日は模試で潰れ、
担任に一刻も早く部活をやめろとせかされ続け、
それでも負けじと毎日ここを走っていたそうな。
わたしのイツメンは
めっちゃイケメンやったで。
練習後、
「春の大会で引退だから」と桜井から聞いた。
「大会いつなん?」って聞いたら
GW前日金曜から3日間なんだって。
なんでもっと早く言わんの!
休み取ったのに!!!って言ったら
「別に大会が最期じゃない。
いつでも一緒に走ってやんよ」 って言って部室に消えていった。
ん?
それ、なんかかっこいいこと言ったつもりなんけ?
もしかしてもしや、この間のお返し?
やすい。
嫁。
桜井。
***
余談
トレーニングウエアを纏った、
誰かの保護者であろうおっさん(44さいだそう)が近くにおって、話しかけられた。
「私も息子に感化されましてねー、この年でまた短距離始めたんですよ」
「12秒台ですよ」
えっ、
大人(おっさん)になっても短距離出来る場所があるんですか?って聞いたら
市営のグラウンドを借りて練習して、
県の記録会などに出るそうな。
知らんかった。
大人になってから走るって言ったら、マラソンみたいな長距離だけだと思ってた。
トラック競技だけじゃない。
フィールド競技、跳躍や投擲だって出来る。
240分余りを掛けて走る競技や
24時間費やして行う競技に、心をときめかせている友人たちへ。
なぁ、
たった11秒間という世界もあるんだぜ?
そういうのもどうだい、
むん子先生?