キチガイの沙汰。つくば100キロうぉーく。 【二章】

2011/06/02(Thu)

一章の続きです。
まだの方はそちらからどうぞ。


15時過ぎ。ほんの僅かな休憩を終え、
20キロ地点から30キロ地点の真壁へ出発。


つくばスタート
平沢休憩所            10キロ地点
つくば休憩所(スタート地点)  20キロ地点 ←今ここ。    
真壁休憩所            30キロ地点
岩瀬休憩所            40キロ地点
真壁休憩所            50キロ地点
つくば休憩所(スタート地点)  60キロ地点
藤澤休憩所            73キロ地点
土浦休憩所(土浦駅)      80キロ地点
藤澤休憩所            87キロ地点
つくばゴール           100キロ


数十人で歩きだしてんけど、みんな相変わらず凄いペースで進んでく。
わたしは当然小走りじゃなきゃ追いつけない。
チーム14名中、6人くらいは女の子。
なのになんでそんなに歩くの速いの?足長いの?

何よりも不思議なのは、この集団を引っぱるよう歩くむんちん。
先週足を捻挫したって言うじゃない?
全く辛そうな素振りはない。Wh-y?


今思えば、凄く痛かったに違いないけれど
むんちんは絶対弱音を吐かなかった、きっと吐けなかったんだ。
この人は本当に自分に厳しすぎる人だ


一方のわたしときたら
大陰唇いたーい!
まんまんもげるー!
まん子まん子まん子wwwwwwwwww
もうがんばらなーい!
もう帰るー!
まん子まん子まん子wwwwwwwwww


ダメ人間っぷりここでも発揮!


まんまんが痛くて、ずっとガニマタで小走りすること二十数キロ。
変な歩き方をしてるせいで腰骨が痛くなってきた。

いやな痛み。
冷や汗だか脂汗だかが噴き出る。
スポーツをしていて怪我をしたことがある方なら、この「いやな痛み」、分かると思う。

いくら体力があろうとも
どんだけトレーニングを積んでこようとも
そのスポーツで使う主要の部分、走る歩くなら足腰のどこかを故障してしまったら一貫のオワリだ。
故障は根性でどうにかなるものではない。


まんまんと骨盤、庇うならどっちやねん?


いや
選べないっしょ



そんな時嬉しいことがあった。

一緒に歩いていた桶さんに「手ぇ繋いでー☆」と言ってみたところ
快く手を繋いでくださったのだけれど


これが、すごく良い。

いや、性的な意味違うくて!


俄然、元気が沸いた。
痛みが軽減する気がする。
すごい。チカラって手と手から伝染する。

ほんとうに辛くなった時
誰かと手を繋ぐといいと思う。
苦しんでる誰かが居たら
わたし絶対手を繋いであげよう。この先の人生でも。


この後も、
何度も手を繋いでくださった。
本当に有り難かった。

桶さんの手は大きくて暖かくて
あの温もりを絶対忘れないと思う。
イヤほんと、性的な意味ちゃうくて!



とはいえ
もうここからが地獄だった。


腰骨がバラバラに砕けそうな痛み。
ずっくんずっくん、ずっくんずっくんとまんまんの擦れる痛み。
少しでも歩みを遅くすると、あっという間に置いていかれる。

置いていかれたらそこで終わりだ。
一人でなんか絶対歩けない。
わたしは「女子会(笑)」とか「連れしっ子♪」とか言って群れるのがでーっきれー!やけど
それとこれとはちょっと違う。

こんなキチガイの沙汰、一人になれば簡単に心折れてしまう。

少し置いていかれては小走りで追いつく。
少し置いていかれては小走りで追いつく。
この繰り返し。



腰骨が砕ける。
身体中の血液がまんまんに集中する。(そうでなくても二日目なんやけど)
腰骨とまんまんがもうダメだった。
肉体的な疲れはぜんぜんないだけに、こんなに悔しいことはないで?


30キロまでみんなに着いていこう。
30キロでもうやめよう。
そこがゴールや。



そこできよしが言った。

「あと2キロで真壁だよ!」


2キロの嬉しさを全身で知った。
わたし今でも2キロって聞いたら全力でダッシュするわ。

痛みと歓びを抱えながら、2キロの道程をもくもくと進んだ。
まん子まん子絶叫しながら。
もう叫ばなやってられんわ!
ここで逮捕されるなら本望や。



30キロ地点、真壁休憩所着


520489_130645.jpg


画像は明るいけれど(オフィシャルサイトから戴きました)
この時点でもう真っ暗。
19時とか。

半袖ミニスカのわたしに、エイドステーションのスタッフが
寒くないの?と口々に聞いてくるけど、暑い。あっちぃ。
雨足が強くなって途中でカッパを着てみたけれど、サウナスーツになってしもてソッコー脱いだわ。

ケータリングのポカリを戴く。
沁みる。全身に沁み渡る。
いまのわたしをポカリのCMに出せ!誰よりも旨そうに飲むで!


そして確か?ここにはケータリングの食べ物が何もなかった。(記憶があやふやで前後しているかも)
おなかすいた、
愕然としていると、むんちんがカロリーメイト要る?と声を掛けてくれた。

彼は歩いている時も「飲み物ないんだったらこれ飲んで」ってコーラ差し出してくれた。
有難うございます、
でもそんな貴重なもの戴けないよ。。
そんな優しい気持ちだけで空腹なんてどっかにいったZE!!!!!!


もうここでやめよう、
そう思いながらよちよち歩いてトイレに行って、ストレッチをする。
整理体操は重要。
明日歩けなくなるからね。
これでもわたし、ハイスクールでは陸上でスプリンターだったんだぜ?


ここでベティさんにロキソニン、痛み止めを戴いた。
本当に本当に有り難かった。。ありがとうありがとう
でも、お返し出来るものを何ひとつ持っていない

なんでも、痛み止めはみんな常備していて痛くなる前に飲んでいるのだとか。
でも、戴いたらここでリタイヤ出来ないじゃない
そんなことを思っていると、むんちんの「行くよ、」コール。



もう行かない。
もうここが、わたしのゴール。



でもなぜか円陣に加わり
「頑張るぞー!」
「やだーーーーーー!!!!!!!!」
をやっていた。
心からいやだった。

「マジまんこ過ぎwwwwwwwwwwwwwww」
絶叫して、歩きだした。


もしも歩けるなら、300mだけ歩いてみよう。
骨盤とまんまんが砕けたら倒れればいい。
そこで試合終了すればいい。



歩きだしたら意外に歩ける。
もしやこれ、1キロいけるかもしれん
リタイヤ地点を30キロから31キロにする意味が分からないけど。
もうええわ
意味なんかなくてええわ


記憶があやふやだけど、
むんちん、きよし、ベティさん、ゆりっちょ、桶さんらが一緒だったと思う。
あららちんは先に行っていたような。
記憶があっちゃこっちゃ行ってたらすみません。

あららちんはフルマラソンに何度も出場していたり
普段からジムで鍛えていらっしゃるから流石に凄い。
女性の中でも特に歩き方がしっかりしている。
てか、生粋のドMとしか言いようがない。



わたしはただただ、むんちんときよしに着いていった。
もうほんと、はぐれたらそこで終了。
彼らは歌とか歌ってる。
たぶん力を振り絞る為の歌やってんろな。。
歌えなくてごめん、知らん歌ばっかりやったんや。


激痛を抱えながらもなんとかかんとか着いて行く。
そんな時、
さっちゃんからデンワやメールを貰う。
辛くて痛くてマトモに話も返信も出来ない。

そしたら、
さっちゃんが


メールでOP添付してくれた。



miyu_p-1306584356-6.jpg


山のような励ましの言葉を超える、一枚の画像。
なにこのうつくしく、まるいふたつのブツわ!!!!!!!!

メールぽちぽちが出来なくて、ソッコー電話を掛ける。


「おっぱい!おっぱい!おっぱい!おっぱい!おっぱい!おっぱい!(絶叫)」


これだけでさっちゃんは全て解ってくれた。
さち、まん子過ぎ!
マジまん子やで!!!!


気がついたら5キロを超えてた。
半分来た。
これ、もしかしてあと5キロ行けるんじゃね?


先に岩瀬休憩所に着いて、もう折り返して来た方たちとすれ違う。


「あれ?君もう帰る帰るって喚いてた子じゃない?」
「まだ歩いてたの?」

「だからもう帰りますってーーーーー!!!!」

「ここまで来たならもう少し頑張って!!」

「いややぁぁぁぁあああああ!!!!」



わたし歩き始めから余りにうるさかったらしく、いろんな人に覚えられていて
何度もこのやり取りを繰り返した。


でもね、
つらい時、心折れそうな時、声を掛けて貰えることがどんなに嬉しいか。
どんだけ励まされることか。

次に誰かとすれ違う時は、私が先に声を掛けよう。
そう決めた。


【つづく】



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