キチガイの沙汰。つくば100キロうぉーく。 【終章】

2011/06/12(Sun)

行記その1 (むんちん)
歩行記その2 (むんちん)
歩行記その3 (むんちん)
歩行記その4 (むんちん)
歩行記その5 (むんちん)
曇りのち晴れ (きよし)
ろじっくぱらだいす (ワタナベさん)

一緒に歩いた方の歩行記です。


もうね、
むんちんとワタナベさんに至っては
わたしのことをなんともおもしろおかしく書いてくださっていて、まんまんよじれまくりんぐ。
ちょっと読んでって!

***


一章
二章
三章
四章の続きです。
まだの方はそちらからどうぞ。


いつまで続くのこの歩行記wwwwww
今日で終わります。
長々と読んでくださってありがとう。オブリガータ!



つくばスタート

平沢休憩所            10キロ地点
つくば休憩所(スタート地点)  20キロ地点     
真壁休憩所            30キロ地点
岩瀬休憩所            40キロ地点
真壁休憩所            50キロ地点
つくば休憩所(スタート地点)  60キロ地点
藤澤休憩所            73キロ地点
土浦休憩所(土浦駅)      80キロ地点 ←今ここ。
藤澤休憩所            87キロ地点
つくばゴール           100キロ



80キロ地点 土浦出発


残り一歩道20キロ!
カラダばきばき!!
マタズレの痛みも薄れるほどカラダいてぇ!

もういややwwww帰りたいwwwwwwwwと喚いたら
エイドステーションのスタッフに、もう帰るんだよ!20キロ歩いてね!と言われた。誰うま!


きよしが言った。
「11時前にはゴールしたいよね」

EEEEEEEEEEEEEEEE
なにそのアスリートちっくな発言!


わたしはタイムを競うって概念はないよ。
参加しただけでネタなの!
13時に間に合うようにてれんこてれんこ歩けばいいじゃないの!



てかさ!
今まできよしとずっと一緒に歩いてきてんけど、もうね、盛大に彼に惚れたよ!
エントリーした時に書いた(であろう)彼の日記に、こんな一文があった。


1.jpg


この自信なさげ発言の彼が
本番では弱音ひとつ吐くことなく、黙々と歩き続けている。
誰に頼るでもなく、ひたすら自分のペースで。

なんという秘めた根性と情熱の持ち主!
まじまん子やと思う!まじカッケーよ!



そんなきよしと土浦を一緒に出発してんけど、彼は己のペースで先を急ぎ始めた。
わたしここで初めて、着いていくのをやめた。
残り一本道やし。
明るくなったし、時間もあるし。


そんなこんなで一人ぽっくりぽっくり。
するとベティさんが追いついてきて、しばし二人で歩く。

ベティさんとも手を繋いで歩いた。
互いのパワーを繋いだ手から分かち合う。
凄く繋がってたわたしら 性的なイミちゃうくて。



5キロも超えた頃、困ったことが。

しっ子したい。


そう、さっきの休憩所にはお手洗いがなかったぬん。
10キロ毎におトイレないってそれダメだお!

しかも田んぼの中の一本道。
コンビニはおろか、おトイレを有する建物など一切ない。



「ああもう駄目や、しっ子したい」
「脇道に入って隠れてすれば大丈夫だよ」

ナチュラルにベティさんが仰った。


田んぼの隅で隠れて行っても許される、みんながそんな極限状態だった。
今まで数々の立ちションも見てきたし、歩行中足元を見ると、下呂が散乱している所もある。


でも
まだわたしに理性は残ってた!
両手でまんまん押さえながら歩く。歩く。
羞恥極まりないこの姿も、今はヨユーの許容範囲!


途中、ほんとうにダメだと思って辺りを伺ったこともあった。
その時、
「みゆきたん!休憩所見えるよ!」

えっ?
今回の10キロ、意外と早くない?!
(この区間が7キロってことを知らなかった)
遠くにトイレが目視できる!ちょろちょろ漏らしながらも俄然歩みが早まった。たぶん当社比1.1倍くらいで。



87キロ(90キロだと思ってた)地点 藤澤着



休憩所、というかトイレ着。

ベティさんと同時に飛びこむ。
彼女も切羽詰まっていたに違いない。だめだお、各休憩所にトイレがないと!

ベティさんがひとつしかない障害者用のトイレを譲ってくださった。
いやいやそんな、と言いたいところだけど、わたしの尿意は切羽詰まりまくりんぐ!

「ベティさんごめん!ベティさんありがとう!!」


個室に入ったがここからが大変。
カッチカチの身体を曲げカッパを降ろし、スカートをたくし上げぱんつを降ろす。そして便座にしゃがむ。
言いようもない苦行。恐ろしく時間が掛かる。

そして尿意というものは不思議なもので
トイレを目視した瞬間最大級の波が訪れるじゃない?

波は待たない。
あああ夜用スーパー着用で良かった。



トイレを終え、最後のストレッチ、というよりガチガチのカラダを解しにかかる。
思うように脚も身体も伸びてくれん。

するとそこには、奥様に連れ添われたむんちんがおった。
右足はスニーカー、左足は長靴。
むんちんは泣いてた。

「俺の分までゴールしてな…

不覚にも込み上げる。
いやや、そんなんいややー!!!!


数時間前、わたしがむんちんに対し行った猥褻な発言について、
改めて奥様にお詫び申し上げる。
すると、なんとも寛大にお許しを戴いた。
おありがとうございまs



最後の出発やで。

休憩所を出る時、スタッフの方々にお礼を言った。
今まで、どこも暖かく迎えてくださり飲み物や食べ物を振舞ってくださった。
たくさんの励ましの言葉も戴いた。本当に助けられた。


頭を下げながら、ここでまさかの号泣。
うるっとレベルじゃなく、まさに号泣。

わんわん泣きながらお礼を言った。
やっべまじかっこわりー!!!!


「ゴールまであと何時間残ってます?」

「あと3時間半はあるよ」


「じゃあもう、てれんこてれんこ歩いて大丈夫なんやね?
ちんたらちんたら歩いてもえええんやね?!」

「大丈夫だよ!」




まさに、神に許された瞬間

やっと、やっと、
てれんこ歩けるwwwwwwwwwwwwww



「ゴールしたら、自分を褒めてあげてくださいね」

そんな涙腺崩壊せずにはいられない言葉を戴いて、最後の休憩所藤澤を出た。



87キロ(90キロだと思ってた)地点 藤澤出発


先に着いていたきよしより、少し遅れを取って出発。
神の許しを得たので、遠足ペースでてれんこ歩くことにする。

が、これが失敗した。
今までキープしてたペースを崩すと、身体のバランスも崩れる!

ぬかるんでぐちょぐちょのスニーカーを、一歩前に出すのも苦行。
水死体になった足で、足元のミミズを避けるのも苦行。


あららちんやワタナベさんも書かれていたけれど、
交差点の「とまれ」
って白字で書いてあるところ、あの僅か数ミリの段差がおそろしくつらい!

だったら除ければいいじゃない、って思うやん?
そんな数歩の遠回りがどれだけきっついか。


そしてここで台風到来?
向かい風まで吹いてきやがったぜwwwwwテラ暴風雨wwwwww
もうほんと、ここが第二の地獄だった。



明るくなって初めて気付いてんけど、この道(60キロ~73キロで通ってる)の脇に
1キロ毎に「土浦からkm」って棒が立ってんのよ。
それで残りを逆算するわけ。
10キロ-3キロで残り7キロや!って。

でも
カウントダウンを始めると、余計精神的にきっつい!
そして1キロが果てしなく長い。
知らなきゃ良かったこんな棒wwwwwwwwwww


自分的逆算であと5キロ!ってとこで、
モーレツに足痛そうなおにいさんに痛み止めを差し上げた。

しばし手を繋いで歩きながら (完全に知らないひとですよ!これ深夜の歌舞伎町での出来事なら確実になんか芽生えてたよね!) 「あと5キロですね!!」って言ったら


「えっ、あと8キロですよ
知らなかったんですか?この区間だけ13キロなんですよ




HAAAAAAAAAAAAAA?!?!
NANJASOREEEEEEEEEEE!!!!




死んだ。
THE・END


もう怒りしか込み上げなかった。


目の前に駅があったなら、ここでソッコー電車で帰っていただろう。
タクシーが走っていれば、ソッコー手を挙げ後部座席に滑り込んだだろう。

でもここでやめてもどうにもならないわけ!
つくばまで戻らな帰ることもできないわけ!




おにいさんが、もう大丈夫なので先に行ってくださいと言うので
先を行かせてもらった。

体力・精神力の限界はとうに超えている。
もうここは怒りのパワーしかないですよ!



目の前にあららちんがいた。
今まで気丈な歩きを見せていた彼女が、ここで立ち止まっている。
マジで足がもうダメそう


「あららちん、まむこか?!大丈夫か?!」
「うん、少し休めば大丈夫だと思う



とても大丈夫そうには見えない。
でも、もう痛み止めもなくなった。

ここで立ち止まったらわたしの足も終わる。
「まむこやで、まむこやで、」と声を掛けることしかできなかった



そしてここで、まさかの第二派到来。
うん、
しっ子。

今まで5キロなら1時間で歩けたけれど
今はとてもそんなペースで進んでいない。
そして果てしなく先のゴール。
しっ子をガマンするだけで、おそろしく体力を消耗する。

むりや
むりむり
もたへんって


果てしなく続く農道の脇道を探す。
そして後ろを探る。
すこし後ろを、じーさんがわたしと同じようなペースで歩いてる。

いまここで脇道でしゃがもうものなら丸見え!
少しの生い茂った草くらいでは目隠しにもならない。

急いで歩いて差をつけたくともこれ以上足が早く前に出ないし
少しペースを緩めるしかない。


JJIはやくいけ
JJIはやくいけ



JJIに念を送りつつ、まんまんを押さえながら歩みを緩めるのだけど
一向に追いついてこないわけ。


JJIwwwwwwwwwww


マジぶちキレですよ。
怒りのパワーってすごい。
さっきの1.1倍くらいのスピードで進む。
気持ち的には猛ダッシュ。


JJIを少し引き離したところで、背丈のある雑草の生えた脇道が。
もうここしかない。


仕事は早かった。
草に隠れて下半身を纏うものを一気に降ろす。

しゃがもうとしたら足が曲がらなかった。
限りなく立ち姿勢に近い中腰姿勢で、激痛に耐えながらお花を摘んだ。


終了後ソッコー降ろしていた衣類やカッパを引き上げる。
ミッション完了!!!!
時間にして15秒くらいと思われる。


道に戻り振り返ると後方にじじいが居らしたけれど
気がつかれていたとしても、もはやどうでも良かった。



ここで
もしかして、拭いてない?
そんなツッコミがありそうなので答えておくけど



拭いてないわ!!!!!!!!!




えー!
道端でお花摘みとかもしんじられないのに
拭いてないの?!?! イヤー!!!!


って、

お前らもあの状態・状況で津波到来してみたら
どうするよ、マジで。
イヤー///とかいうやつ、いっぺん100キロ歩いてみやがれっつーの!!!!!!!!!!!!11




まぁ、
わたしは無問題だったけど、キレのない年寄りにこのアクロバティック・しっ子はきついかもです。



予定外の体力の無駄使いで、さらに歩みがきつくなった。
さっきのJJIが追いついてきた。

「きっついですねー」
「地獄ですね」

そんな会話を交わしてわたしを追い越していった。
JJI!もっと早く追いつけってーの!
心中怒りしかなかった。



そんな頃、
ずっとずっと後ろを歩いていたゆりっちょが追いつき、追い越していった。

「ゆりっちょまむこwwwゆりっちょSGEEEEEwwwwwww」

苦痛に顔を歪め、ほんとうにほんとうに苦しそうだったけれども
その歩みはしっかり前に、前にと進んでいた。
彼女の根性と精神力も、本当に尊敬の念を抱かざるを得ない。



「土浦から11キロ」
の棒が見えた。
あと2キロ。
まだ2キロ?!

今まで2キロと聞けば全力でダッシュするイキオイだったのに
到底そんな気力も体力もあるはずもなく。
20キロにも思える、果てしなく長い長い2キロ。

赤子のよちよち歩きほどの速度で、その道程を進む。



目の前に、ブーツを履いて傘を持った人がわたしの前を立ちふさぐ。
邪魔やねんwwwww誰やゴラァァァ!!

「みゆき!!みゆき!!」


よく見たらはなちゃんだった。


「もうすぐゴールやで!もうちょっとやで!!」
「ほんまか?!まじでか?!」

はなちゃんが一緒に歩いてくれた。


夜、来てくれた時ははなちゃんが小走りでも追いつけないような速度だったのに
もういまや、要介護4の老人の歩み。


「うそやぁぁー!ゴールなんか見えへんで!」
はなちゃんにまで怒りを覚える。

「ほんともうちょっとなん!ほら、むんちんの奥さんもいてる!」

顔を上げると
無駄に大きなパラソルを差したむんちんの奥様がいらっしゃった。
レースクイーンみたいwwwww

「あのジャージの下にはレオタード着てんねんで!」
「まじかwwwwレオタードかwwwwwwww」

ちょっとチカラ出た。


むんちん奥様が歩み寄っていらした。

「みゆきたんー!もう少しよ!」
「まん子wwwwwwwまん子wwwwwwwww」




ゴールが見えた。


ゴールの瞬間は感極まって泣いた方が大勢いらっしゃったと聞いた。
ゆりっちょは大号泣だったという。


わたしには怒りしかなかった。

意味不明なラスト13キロ。
そもそも、キチガイの沙汰とも言える100キロ。
16さいなのにマタズレ。
もう使い物にならなくなったかもしれない大陰唇。どうしてくれんだよおおおおおおお!!!!



「まん子wwwwwwwまん子過ぎwwwwwwwwwマジまん子やでええええええええ」


怒りの絶叫をしながらゴールの門を潜った。



「写真撮りまーす!」

えっ?ちょwww待ってwwwwwカッパ姿で記録に残るとかはずかしいwwwwww
カッパのズボンが自力で脱げなくて、はなちゃんに脱がせてもらった。
至れり尽くせり。


100キロ地点での絶対領域↓↓


60.jpg




後はなはちゃんに介護されるまま、着替えのテントに連れられお着替え。
たかが着替えに30分掛かった。
その間に、あららちんが無事ゴールしたことを聞く。
あああ本当に良かった!

着替えの後もはなちゃんに介護されるまま、車に乗せられた。
後部座席には80キロまで共にした、きよしとベティさんが乗っていた。


この後みんなで健康ランド的温泉に行って、むんちん宅で打ち上げがあると言う。
わたしは一刻も早く家に帰って、お風呂に入って寝たかった。
明日仕事やし。

「はなちゃん、わたし帰らなまずいし、つくばの駅で降ろして

そう言って寝てしもーた。
途中何度か目が覚めたりしたけれど、「駅で駅で」そう呟きながら意識がなくなる。
そして連れられるままに、家まで送ってもらってしもーた。



介護され帰宅。


せめてお茶飲んでって、と言うも、
玄関までわたしと荷物を運んだはなちゃんは帰って行った。
次回ハンバーグな!という約束を残して。


どうにかこうにかお風呂に入って、マネージャー(こちらははなちゃんではなく、仕事のほう)に連絡。
うん、これ明日仕事ぜってー無理だお!
デスクワークならまだしも、ピンヒールで一日立ちっぱなんて180ぱー無理だお!

幸いにもスタンバイのMCさんがいらっしゃって、すぐにOKが取れた。


安堵してビールを流し込む。
一缶終える頃には意識朦朧、這ってベッドまで行った。

そして
この一夜もまた苦行。

寝返りが打てないwwwwwwwww
夜中、うんうん言って悶絶しながら何度か寝返りを試みる。
初めて寝たきりになった方の切なさと苦しみを知った。



そんなこんなで
終わりました。

今まで幾度となく、身体を張って笑いを取ってきたけれど
今回みたいなマジキチははじめてwwwwwもう二度とやるかぼけええええええwwwwwwwwww


もはや
ズレズレのまんまんがどうなっているかなど、おそろしすぎて見ることもできない。

むんちんは
「それ子供の大陰唇やから、大人の大陰唇に生え変わるまで待てばいい」 と言う。
それを信じるしかないよメーン!



もうひとつ言わせて貰うなら
ほんとうにみんな、ありがとう、ありがとう。
一人では絶対に歩き通せなかった。


一緒に歩いたメンバー。
15人目のメンバーであり、わたしらのマネージャーだった、はなちゃんやむんちん奥様。
エイドステーションのスタッフ。
声を掛け合い歩いた、見ず知らずの参加者。


ゴールしてから一人一人に言えなかったのが心残りやねん。
心の底からマジで言いたい。ほんとうにありがとう。マジまん子やで!!!!


そしてここで教訓。


酒のイキオイでなんでも言うな。
そしてふつかめの100キロはやめろ!絶対にだ!!!!




100キロまんまん。その後



キチガイの沙汰。つくば100キロうぉーく。 【四章】

2011/06/07(Tue)

一章
二章
三章の続きです。
まだの方はそちらからどうぞ。


73キロ地点、藤澤着


つくばスタート

平沢休憩所            10キロ地点
つくば休憩所(スタート地点)  20キロ地点     
真壁休憩所            30キロ地点
岩瀬休憩所            40キロ地点
真壁休憩所            50キロ地点
つくば休憩所(スタート地点)  60キロ地点
藤澤休憩所            73キロ地点 ←今ここ。
土浦休憩所(土浦駅)      80キロ地点
藤澤休憩所            87キロ地点
つくばゴール           100キロ


この時は知らんかってん。
ここが73キロ地点って。

今まで10キロ毎に休憩所があったし
ここも70キロやと思うやね?
つくばから13キロ、いやに遠いと思ったかどうかは覚えてないよ。

せやけど、知らぬが仏やで。
知ってたら途中ココロ折れるわ!



到着した時、ベティさんときよしがもう着いてた。
身体Stick!
ばっきばきの身体をなんとか折って、二人の隣に座ると
きよしが神妙な顔で携帯の画面を見せてきた。


「むんさんが、リタイヤしたって



そこには
79キロでリタイヤするという内容が。


EEEEEEEEEEEEEE
そんなあほな!



大丈夫や、
これはむんちんの初めて吐いた弱音や!

「むんちんまんこや!
マジまんこやで!!」


慌ててメールを送った。

諦めんなよ
修造だって言ってるやんか!!!!


でも、返ってきたのは
自分の分まで頑張ってほしいって内容の返信。
なんじゃそれ・・・


きよしは怒っているようで
ベティさんは泣いているように見えた。
二人とも違ってたらごめん、そんな感じを受けた。



それからそんなに言葉を交わさなかった。
ケータリングのSOYJOYを黙々二本食べた。

行くか、そう言って立ち上がって歩き始める。
3人で歩き始めたけど、わたしが少し遅れを取り始め一人になった。



むんちん、もうほんとうに諦めてしもてんやろか。
どこかに棄権宣告でもしたんやろか。


なんでさっき、彼が遅れを取った時
一番つらい時やったって気付けんかってんろ

彼はあんなに、周りを気遣い、わたしを気遣ってくれていたのに
なんでわたしは気付けんかってんろ


なんであの時、手繋がんかってんろ
なんで手差し出さんかってんろ

あの時手を繋げていれば
一人じゃなかったら
極限の苦しみももしや、乗り切れていたかもしれん


あほちゃうか?
なんちゅう鈍感



なんてか、
今回、酔ったイキオイで参加表明してしもて
もうほとんどネタみたいな感じで出場してしまったから、
わたしどんな感動的なシーンに遭遇しても、絶対泣くかボケが!って決めてた。

恥ずかしいやん
感涙に咽いでしまいました!とかマジありえんで。


せやけど
己の失態を思うと
悔しくて、やるせなくてたまらんよ

しんどくて
わけわからんようになって
歯ギリギリ言わせて泣いた。


一人でよかった。
ベティさんとか隣におったら死ぬわ。




♪女呼んで揉んで抱いていっきもちー!


携帯が鳴る。
カッパのポケットから携帯を取り出す。
はなちゃんからや。



「みゆきもよう頑張った。
迎えに行くし
もうやめてええんやで」





あほか
これやからシロウトは困るわ


最後までやり通さななぁ
ネタにはならへんねんで



しかも
今何時やと思っとんの
さっきあそこで別れていつ寝てんの?



はなちゃんは
まさに15番目のメンバーやった。

わたしらとずっと一緒に歩いてくれとってん。




二人に追いついた。

miyu_p-1306610016-1.jpg


夜明けやで。
暗く長かった夜が明けようとしてる

大勢で一緒に歩き始めたけれど
3人になってしもたで


80キロの土浦から折り返してくる人とすれ違う度、無駄に元気に声を掛け続けた。
誰もが辛そうやけど、一歩一歩進んでる。




折り返して来られたワタナベさん、ミル姉さんとすれ違う。


このお二人はグループ1、というかダントツで速い。
最初っからものすごいスピードで歩いて行かれたので、ほんの最初しかご一緒していない。

その余りの速さに、人気のない所でダッシュしてるんじゃないかとわたしは疑ってる。
(この競技、走ったら失格らしい)
(よってわたしはスタート直後から失格なわけなんやけど)


スポーツ用のピタッとしたTシャツとスパッツを身に纏い、
わたしら(主にわたし)がえろしりとりをしていてもガン無視で
黙ってもくもく(言葉重複してる)先を歩いていかはったその姿は、すごくアスリートです///


みゆち 「まん子?まん子?!まん子!!!!(ワタナベさんとミル姉さん?!やーんめっちゃ速いですね!!)」

ワタナベさん 「えー?!まだ歩いてたの??」


ああ、
ワタナベさんもシロウトか
ほんま困るわ。



80キロ 土浦着


休憩所というよりJRの高架の下。歩道。
駅に向かう人々が増えてきたので、なるべく道の端に座ってストレッチ。カッチカチ。


カッパのポケットから携帯を出して、写メを一枚撮ったら電源が落ちた。
電源ボタンを長押しするけど電源入らん。

なんとなく予想してた。
雨の中携帯触ってたんやもん。
ポケットの中もずぶ濡れやったし、そりゃ水没するわ。

電話帳とかいろいろデータ無くなったやろけど
もう結構どうでも良かった


ロスに留学中のSMKに 「きのうから80キロも歩いててなー、マジキチ!」って
国際テルテルしたかってんけど。
もう電源が入ることはなかった。



最期の写メ

ea3788cf.jpeg



あと20キロの一本道。
まん子や、まん子やで。


【つづく】



キチガイの沙汰。つくば100キロうぉーく。 【三章】

2011/06/05(Sun)

一章
二章の続きです。
まだの方はそちらからどうぞ。


40キロ地点、岩瀬着


21時過ぎ。
30キロでもうまん子や!おもたけど
40来たよ、来てもーた。マジまん子杉wwwwwwwwwwwww


つくばスタート

平沢休憩所            10キロ地点
つくば休憩所(スタート地点)  20キロ地点     
真壁休憩所            30キロ地点
岩瀬休憩所            40キロ地点 ←今ここ。
真壁休憩所            50キロ地点
つくば休憩所(スタート地点)  60キロ地点
藤澤休憩所            73キロ地点
土浦休憩所(土浦駅)      80キロ地点
藤澤休憩所            87キロ地点
つくばゴール           100キロ


駅が見えるで!
何線の何駅か知らんけど、こっから電車乗って帰れるやん!


この辺で、歩みが少しばかり楽になってきていた。

みんなの歩みが少しだけテンポダウンしていた。
各々疲労や足の痛みなど訴えていたから。

そして何より、
ベティさんから戴いた痛み止めが効いていたんだと思う。
ベティさんありがとう。
ベティさんマジまん子!!!!


なんかいける。
まだいけるで。


寝転がって兎にも角にもストレッチ。
地面は雨でぐちゃぐちゃやけど、もう既に全身ずぶ濡れなんでもうどうでも良い。


psyencek-1306584771-2.jpg


見せパンやで!
いくら極限状態とはいえ、サニタリーぱんつ丸出しでストレッチは出来んよ。


この休憩所ではなちゃんの救援物資を待ってた。
ジツは、ショッキングな事実が発覚してて。
ナマナマしい事情を読みたくない方は、点線内すっ飛ばしてー!



↓--------------------- ここから ---------------------↓


おトイレでリュックからナプキン取りだして、愕然としてん。

雨で全身ずぶ濡れ、むろんリュックの中もずぶ濡れ。
着替えのTシャツと靴下はポリ袋に入れていたものの、
無造作にリュックのポケットに入れた夜用スーパーはヌレヌレ。


高分子吸収体が主成分のナプキンが水を吸うと
どうなるか
は分かるよ・・・な・・・?


これはだめだ・・・


応急処置。
トイレットペーパーをぐるぐる巻きにして、ナプキンの上に拳ほどのペーパーの束をあてがった。

ぱんつを上げると


おまたもっこもこ!!
おまたもっこもこやで!!




でね、
はなちゃんとデンワした時
夜用スーパーが欲しい旨と、マタズレが痛くてたまらんことを話したわけ。


はなちゃん 「タンポン持ってったるよ!タンポンにしな!」




あwwwwwwwwwwwほwwwwwwwwwwwかwwwwwwwwwwwww

タンポンとか

しょじょまくやぶれるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww




過去、タンポンを使った経験は一回だけ。
修学旅行中、友達に勧められてトイレでチャレンジしてみたものの。入るわけもなく。

そしたら
友達が個室に押し入ってきて挿れてくれてんけど。

あの断末魔の叫びとなにか終わった感は、今でも忘れない。



例え、
たとえわたしがタンポラーだったとしてもよ?

皮膚のある外陰部でさえ、擦れて傷付いてメリメリやってーのに
タンポン挿れて歩いて、粘膜が擦れて傷付いたらどうなんの?


恐ろしすぎて意味がわからない。


そんなこんなで
タンポンは断固拒否した。


でも、はなちゃんとこの休憩所で合流出来なかった。
もう少し待てば会えるはずだったのだけれど、その僅かが待てなかった。
みんなの出発に置いていかれるのがこわかった。


↑--------------------- ここまで ---------------------↑



ゆりっちょがだいぶ遅れを取っていて、ここで一緒にスタート出来なかった。

待ってあげたい。
一緒にスタートしたい。
人は一人では歩けないよ。


もうちょっとで休憩所を出ようとする時、ゆりっちょが休憩所に着いた。
「まん子やで!!ゆりっちょまん子やで!!!!」

すると
疲弊しきった彼女が返してくれた笑みに、強靭な意志が見えた。

強い。
彼女は強い。
全然折れてなどいない。

彼女は大丈夫だ。



「頑張るぞー!!」
「おー!」
「いややー!!帰るわー!!!!」
「帰れ帰れ!」



今度は5人。
また歩き始めた。



雨足が一層強くなった。
もう既にずぶ濡れなんやけど、雨がものすごく冷たいのでカッパの上着を着ることにした。

リュックからカッパを出す。
歩きながら片手でカッパを着る。
それだけでどんどん置いていかれる。
慌てて小走りで追いつこうとする。


その時、前方から「みゆき!みゆき!」と呼ぶ声が聞こえる。
誰や?

はなちゃんやwwwwwwwwwwww
はなちゃんやwwwwwwwwwwww


「夜用スーパー!そんで痛み止め!」

「あー、あー、あー、ありあ、とぉぉ、おおおぉぉ」




ここで前方におったはなちゃんとすれ違う。

うん、
立ち止れへんねん。

はなちゃんが走って追いかけてくる。
立ち止って受け取ってお礼を言いたい。できることならハグハグしてちゅっちゅしたい。


でもごめん!
止まられへんねん!
止まったら脚固まるねん
置いていかれるねん

はなちゃんなかなか追いつけない。
この辺で、どんだけ早く歩いていたか察していただきたい。

「はなちゃん、走ったらあかん!車で先回りして!」


はなちゃん喘息持ちやから、走ったら発作起きる。
それでもはなちゃんは走って追いついてきた。


「走ったらあかんやん

「大丈夫や!これ夜用スーパー!
羽付きと羽なし、どっちがいいか分からんかったから両方持ってきたわ!

「マジでか…、まん子…まん子やでぇぇ
すまんけどリュックのファスナー開けて突っ込んでくれるかのう?」



リュックにナプキンを入れてもらった。
後で余裕がある時、中のポリ袋に入れないと
また高分子吸収体が大変なことになる。

そしてロキソニンを手渡しで貰う。
その場で一錠食う。


「まん子やでーーーー!!はなちゃんまん子なぁぁぁああああ!!!!」

遠ざかっていくはなちゃんにお礼を言うと
りっちゃん(小3)もそこにおったww

「ごめんなー!猥褻なおねえちゃんでごめんなー!」





50キロ地点、真壁着


つくばスタート
平沢休憩所            10キロ地点
つくば休憩所(スタート地点)  20キロ地点     
真壁休憩所            30キロ地点
岩瀬休憩所            40キロ地点
真壁休憩所            50キロ地点 ←今ここ。
つくば休憩所(スタート地点)  60キロ地点
藤澤休憩所            73キロ地点
土浦休憩所(土浦駅)      80キロ地点
藤澤休憩所            87キロ地点
つくばゴール           100キロ


30キロ地点で来た場所。
あの時が一番の地獄やった。

とはいえ疲れは増して、足がStick!(棒)やねんけど!


ここで全参加者の半分ほどがリタイヤしたと聞く。
いやいや、半分がリタイヤしてないってことのほうが驚きやで!
今まで歩いた50キロだけでもキチガイの沙汰やのに、この雨、雨。


車で先回りしていたむんちんの奥様とはなちゃんが迎えてくれた。
むんちんの奥様に至ってはほんとうに凄い。
各ステーショで必ず待機していて、みんなをケアし続けてくださっていた。

ケータリングに粉末スティックのカフェオレが置いてあり、
ペットボトルに粉と水を入れてシェイクしてカフェオレを作る。
超絶甘いものが欲しい。

指がうまく動かないのではなちゃんにやってもらった。至れり尽くせり。
これが、5袋溶かしても一向に甘さを感じない。
疲れるとこんなもんなのか。



この時、むんちんに「ブドウ糖要る?」と錠剤の小袋を差し出された。
なんという人やねん
こんな時にこんな貴重なものを

ありがとうございます。
ありがとうございます。

申し訳なく思いながら、有り難く頂戴した。

とはいえ、返すものがなにもない。
「カラダで返すな!」そう言って顔を上げたところ


むんちんの奥様がいらっしゃったwwwwwwwwwwww
もうめっちゃご立腹wwwwwwwwwwwwwwwwwwww



「か、か、カラダって肉体労働ですよおおおお!!!!」
イマサラ何言っても遅い。

すみませんでした
本当にすみませんでした


ここでロキソニンのなくなったベティさんに、ロキソニンをお返しすることが出来たよ!
はなちゃんマジまん!マジまん!




50キロ地点真壁出発。
糖分補給と痛み止めと、真新しい夜用スーパーと。
あとはみんなのペースが落ちていったから、身体はしんどくても今までより楽かも!


むんちん、きよし、ベティさん、桶さんとで5人出発したのだけど
この辺でかなりバラけ始めた。

とはいえ遅れてもそのうち追いついてくる。
このメンバーより先に進んでいるメンバーに追いつくこともある。
この繰り返し。


再会を喜んで 「まん子?まん子やん??超まんくぉーっ(涙)」 と言えば

「まん子!みゆきたんまん子!!!!」

と返ってくるようになった。
もうわたしら、まん子で繋がっていた。



もういっこラクだったのは、60キロの2キロ手前にコンビニがあったこと。
8キロでの小休止は有り難いし、何より肉棒(からあげ棒)とおにぎりを買うことができた。

肉wwwwwwwwwww肉wwwwwwwwwwwww
そしてお米のパワーってマジパネェ!
もりもり元気が出るよ!


前にもここを通っておにぎりを買ったし、
各ステーションでもちょっとした食べ物を戴けたりするんだけど
食べても食べてもおなかが空くねん。
すげー、めっちゃカロリー消費してんねんね。


米食ってストレッチしてコンビニ出発。
あと2キロ。
2キロの歓びはわたし知っている。



60キロ地点、つくば着


この時点で午前2時前。
つくばからの終電オワタwwwwwwwもう今日は帰れんwwwwwwwwww


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ずぶ濡れのTシャツとニーハイを替える。
お着替えはしんどいけどトイレへ。
公衆の面前でTシャツ脱いだらきっとタイホされる。

足がStick!!身体ITEEEEEEEE!!!!!

靴下替えてもスニーカーの中が泥沼やし、意味なくない?
でも、もこもこソックス膝あったかい。


寝転がってとにかくストレッチ。
濡れながら脚おっぴろげてストレッチ。
カチンコチンの身体をほぐさなマジやばい!



今回は4人で出発。
桶さんは足にテーピングを巻いてから出発するって。
雨が痛冷たいwwwwwなにこの苦行wwwwwもういや帰りたいwwwwwwwwwww


今まで、むんちんの弱音らしきものを一切聞いていなかった。
50キロ地点で
「次進むかどうかは10キロ歩いて考えるわ」 と言っているのを聞いたけれども
誰しも同じことを言っていたし、何より弱音の言葉を聞いていない。

流石むんちん、余裕やなあと感心するばかりで
ここでむんちんが一番キツかったとは知りもしなかった。



数キロ進んだ先でむんちんが少し遅れを取った。
まん子やでー!むんちんまん子やでー!と声を送る。
後ろから、おー!ちん子ー!って声を聞く。

むんちんはきよしと共に常にこのグループを引っ張っていて、
たまに遅れを取っても、もの凄いイキオイで追いついてくる。
なんでそんなに速いねん?!と驚愕するイキオイで。



同じく遅れを取っていたベティさんが追いついてきた。
「むんちんは?」
「結構後ろだよ。凄く辛そう

マジか
でもむんちんなら大丈夫や。
またゾンビみたいなイキオイで追いついてきて、さっさと先を行ってしまうねん。



溢れる欲求と体力がウリのわたしも、K点超えた。
近くの仲間とえろ話をしたくとも、
雨音と被ったカッパのフードのせいで、大声を出さないと相手の声が聞こえない。

真っ暗闇を進む中、たまに灯っているオレンジ色の街灯があってなー。
この灯りが救いの光に見えて、その下を通る一瞬、安らげる。
それだけ辺りは暗く、雨は冷たかった。


残り40キロ
藤澤を超え、土浦で折り返して
また藤澤に寄って、ここまで戻る。
行って、帰ってきたらゴールや

ゴールが見えない先ではなくなってきた。
そこで自分にジンクスを掛けていた。



これ歩き切ったらわたしモテまくる。

挫折したら一生Bできない呪いにかかる。




横断歩道の白い部分から落っこちたら死ぬ、
的な
何の根拠のないジンクスなんやけど。

もうそんなものどうでもええねんwwwwwwwwwwwww


【つづく】




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